猛暑と心臓
[2025.07.17]
最高気温が35℃以上の日を猛暑日といいますが、最近では、この時期に連日猛暑日になるのが当たり前になりつつあります。一説によると、クマゼミは35℃を超えると活動が鈍くなり鳴かなくなるそうで、梅雨が短く羽化できなかったのもあるのか、この夏は、セミの鳴き声すらいつもより聞こえてこない気がします。
猛暑は、セミに限らず私たち人間にも大きな影響をもたらします。2023年にCirculation”という医学雑誌に掲載された米国での研究で、今後数十年のうちに暑熱に関連した心血管疾患による死者数が劇的に増加するという悲観的な予測が報告されました。
この報告によると、心臓を中心とした血管系は、体温調節に中心的な役割を担っています。猛暑で体が過熱状態になると、発汗により熱を放出しようと心臓はより激しく動きます。高齢者や持病のある方では、これが過剰な負荷となって、心疾患や脳卒中を発症しやすくなるというのです。
発汗を補い、心臓や血管に無理をさせないようにするために、こまめな水分補給が大切です。加えて、無理をしない範囲で普段通りの規則正しい生活リズムを維持していくことが、猛暑の時代にあって心臓を守るための適切な過ごし方といえるでしょう。