生活習慣病と食をめぐるあれこれ
高血圧やコレステロール異常、糖尿病は、いずれも循環器疾患と大きなかかわりをもつ生活習慣病です。治療において、お薬を使うこと以上に大切なのは、生活習慣そのものを改善し、健康で長生きできるような身体に整えていくことです。
その柱となるのが、食事療法です。しかし、どこまでも禁欲的にがんばり過ぎると、日々の生活がつらいだけとなり、かえって健康を損ねることさえあります。
たとえば、高血圧に対しては、1日6g未満の塩分制限が目標となっています。減塩しながら味のしっかりとしたものを食べたい場合、出汁や食材本来の旨味をうまく生かした料理にしてみると、味気なさが緩和されます。また、脂質異常のうち、高LDLコレステロール血症の場合、卵を多く食べると、その値が高くなりやすいといわれています。ただ、最近の研究によると、卵による影響は、個人差も大きいようです。また、卵黄とは逆に、卵白には、腸でのコレステロール吸収を減らす効果があるとのデータも示されており、卵黄と卵白を合わせて食べることが大切なのかもしれません。糖尿病については、炭水化物の摂取量が注目されますが、たとえば、同じメニューを食べる場合、野菜、おかず、ごはんの順にすることで、血糖値が上がりにくいとされています。
同じがんばるならば、正しい知識のもとに少し工夫をこらして、楽しみながら続けてみませんか。
