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ポケベルと生活運動強度

[2025.07.10]

ポケットベル、通称ポケベルを、若い人たちはご存じでしょうか。連絡したい相手を呼び出すことのできる無線システムのことで、名刺サイズの機器を鳴らし、文字や数字をメッセージとして送ることができました。

新聞記者だった25年ほど前には、必携のアイテムでした。支局からのポケベルが鳴ると、近くの公衆電話を探したり、店や民家で電話を借りたりしていました。ちなみに、「49」というメッセージは「至急」の隠語で、「494949・・・・・・」と続くほど緊急度が増し、ただちに折り返しの連絡をしなければならないことを意味しました。

さかのぼれば、大学時代の1人暮らしでは、ポケベルを持つことすらできず、固定電話でのやりとりが主流でした。就職活動の合否連絡がいつくるかと、電話機の前で正座して待ち続けたことなどを思い出します。

いまや、携帯電話からスマートフォンの時代へと移り変わり、通話の便利さは進化し続けています。一方、私たちが日常どれだけ体を使っているかをさす生活運動強度は、反比例して下落傾向にあるような気がします。もはや、電話やポケベルが鳴る度に、電話機のあるところまで小走りするなんてことは、昭和の遺産になりつつあるでしょうから。

そう考えると、ポケベルの時代も意外によかったかもと懐かしく感じることがあります。

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