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稲穂と謙虚

[2022.09.08]

この時期、少し郊外にいくと、秋風に揺れ、黄金色に輝く稲穂を見ることができます。夏の盛りを過ぎたやわらかい陽光が、穂の上を舞うトンボとともに、豊穣を祝福しているようです。

ふと、「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」ということわざを思い出しました。立派な人ほど謙虚であるという意味です。さて、自戒を込めつつ世の中を見渡してみると、そのことわざにふさわしい人たちは、華やかな世界より、市井にこそおられるような気がしてなりません。たとえば、コツコツと生活習慣の修正に取り組み、歳を重ねるごとに若い輝きを放つ患者さんのように。

さて、刈られた稲は、稲架(はさ)掛け、脱穀、籾(もみ)すりを経て、玄米となります。玄米から糠(ぬか)を取り除いて精米され、白米となったものを炊くと、食卓でおなじみのご飯となります。

「いただきます」。農家の方々と大自然への感謝を込めてご飯を味わいつつ、自らの心と身体を輝く稲穂のように実らせることができるよう、患者さんとともに、地道な努力を謙虚に続けていけたらと、気持ちを新たにしました。

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