雨の季節と半夏生
[2019.07.03]
先月の終わり、防府市の阿弥陀寺を訪ねました。アジサイを鑑賞しにいったのですが、境内を散策していると、ふと、ハンゲショウの群生が目にとまりました。
ハンゲショウは、ドクダミ科の多年草で、この時期、葉の表面が白く変化し、見ごろを迎えます。漢字では、半夏生と書き、これは、二十四節季をさらに3分割した七十二候の暦日をさし、現在私たちが用いている暦では、毎年7月2日ごろにあたるようです。
漢方に詳しい方がおられたら、半夏厚朴湯や半夏瀉心湯といった薬を思い浮かべるかもしれません。ここでいう半夏は、サトイモ科である烏柄杓(カラスビシャクと読みます)の一部からなる生薬で、痰のきれをよくする作用や、鎮吐作用、コレステロール吸収抑制効果があるとされます。
半夏生の時期に降る雨のことを、半夏雨といい、大雨になることが多いのが特徴です。健康管理と同様、大雨による自然災害に対しても、十分な事前の備えが大切です。