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聴診器と今昔

[2024.08.08]

聴診器は、心臓を専門とする私たちにとって、診療に欠かせない医療器具です。患者さんの胸に聴診器をあてることで、心臓や呼吸の音に異常があるかどうかを確認します。

聴診器の歴史は、200年前にさかのぼり、フランスの医師が木製で筒型のものを発明したのが始まりとされています。それ以前の医師は、患者さんの胸に直接耳を当てて聴診していたといわれています。そのため、患者さんから菌やウイルスが感染してしまうケースも多かったようです。その点で、聴診器は、医療者の健康を守る役割も果たしているといえます。

聴診の原則は、聴診器のベル型または膜型の面を、患者さんの肌に直接当てることです。細かい音を聞き分けたり、聞こえが悪かったりする場合、いまもそのように聴診しています。一方、それ以外では、シャツなど衣服の上から聴診しています。衣擦れの音が気になるときには、患者さんに少しの間動かないように辛抱していただきます。そうすれば、大抵の心音や呼吸音を正確に聞き取ることができます。

ちなみに、聴診器は、その音響増幅効果で拡声器のような機能をもっています。そのため、聴診中に患者さんから話しかけられると、大音量が耳に突き刺さることがあります。ドラマなどで聴診中の医師と患者さんが会話している場面を見かけることがありますが、現実的ではないといえるでしょう。

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