夏と心筋梗塞
[2024.08.16]
心筋梗塞といえば、寒い時期に発症する病気といった印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。たしかに、晩秋から初冬にかけて、その発症数が急激に増加するとの調査結果もあります。
しかし、実は、夏の心筋梗塞も要注意なのです。暑い環境にいつづけると、自身でも気づかないうちに、体内から大量の水分が失われていきます。それは、心臓を支配する冠動脈でも同様で、脱水により血栓というかたまりができやすくなり、それが血管内を詰まらせ、心筋梗塞を発症するのです。
血栓形成を予防するには、なによりもまず、水分補給です。摂取した水分が体全体に行きわたるのに、20分近くを要するとの報告があります。そのため、脱水が進行する前に、こまめに水分をとることが大切です。
一方、塩分摂取については、基本的に普段通りで大丈夫です。高血圧症や心臓病をかかえておられる患者さんが、脱水予防として過剰な塩分をとってしまうと、こうした持病を悪化させてしまうおそれがあるからです。また、水分摂取といっても、糖尿病のある方は、甘いスポーツ飲料の飲み過ぎに注意が必要です。