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寅さんと新年への思い

[2022.01.05]

映画「男はつらいよ」の主人公である車寅次郎、通称「寅さん」は、縁日などで露店を営むことを生業として、日本中を旅します。私自身、学生時代に、「寅さんのように、風の吹くままにいろんな場所を訪ねてみたい」と憧れ、アルバイトでお金を貯めては、バックパックひとつ背負って国内外を放浪したものです。

旅先での出会いは、孤独な旅人の心を慰めてくれます。寅さんが、行く先々で素敵なマドンナに恋をするのは、きっとそうした理由もあるからでしょう。そして、寅さんを格好いいと思うのは、マドンナに失恋したとき、不器用だけれど、とても誠実な身の引き方をするからです。「人たらし」という言葉がありますが、お節介なほどに、まわりの人たちの幸せを願い、普段は離れていても、いつもそばにいてくれるように感じさせてくれる寅さんこそ、最高の人たらしといえる気がします。

生活習慣病や心臓病の患者さんに対し、「塩分を減らしましょう」「歩きましょう」「禁煙しましょう」「お酒を控えましょう」と、診察室で、繰り返し言い続けています。「もう、聞き飽きた」と思われる患者さんもいらっしゃるでしょう。しかし、みなさんの健康をサポートするための人たらしになれるよう、寅さんのように、多くの患者さんから慕われる医療者であり続けられるよう、寅年を迎えるにあたり、新年への思いを新たにしました。

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