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明日に架ける橋と医療におけるブリッジ

[2021.12.29]

1960年代を中心に活躍したサイモン&ガーファンクルは、私を虜にしたフォークロックデュオです。学生時代、彼らの楽曲を弾きたいとギターを習ったり、中古レコード店でお目当てのドーナツ盤を掘り出したりするのに、夢中になったものです。解散後再結成し、1993年に開催された来日公演で、彼らの歌声を生で聴くことのできた興奮は、いまなお冷めやまずにいます。

”Bridge over Troubled Water”(明日に架ける橋)は、彼らの代表作のひとつです。激流にかかる橋のように、悩み苦しむ人に寄り添い、支えていきたいとの思いをつづった歌詞は、記者を経て、医者となったいまに至るまで、私自身がこうありたいと願う理想の生き方を映し出しています。

医療の世界でも、橋を表すブリッジという言葉が用いられることがあります。たとえば、大動脈弁狭窄症という心臓の弁膜疾患に対し、弁置換手術を待つまでの間、風船のついたカテーテルで狭窄部位を拡張する治療を施し、心不全をコントロールしていくことを、ブリッジと表現します。また、血液をサラサラにするおくすりを使用中の方が、手術を受けることになった際、一時的に他のおくすりに切り換え、出血イベントを最小限に抑えることも、ブリッジと呼ばれます。

医療におけるブリッジは、患者さんの命をつなぐ橋渡しともいえます。当院が、ゆく年同様くる年も、みなさんにとっての明日に架ける橋であり続けられますように。

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