下肢の動脈とセルフチェック
[2022.01.13]
股関節から足先までを下肢といいます。下肢は、心臓から大動脈を経て送り出される動脈血により栄養されていますが、下肢の動脈が細くなったり詰まったりすると、歩行時の痛みやしびれ、疲労などを自覚するようになったり、潰瘍を生じたりすることがあります。重症化すると、下肢を切断しなければならない場合もあります。
一方、無症状のケースが多いのも、下肢動脈疾患の特徴のひとつです。当院では、自覚症状のある場合以外に、高血圧や脂質異常、糖尿病など、動脈疾患発症の危険因子を有する患者さんに対し、スクリーニングとして血圧脈波検査を実施し、上腕足関節比を測定することで、積極的に評価しています。
また、セルフチェックにより、下肢動脈疾患の有無を予想することもできます。たとえば、仰向けに寝た状態で両脚を高く上げたとき、病変のある方は白くなります。また、足先の毛量が少なくなるのも、下肢動脈の狭窄や閉塞を疑いうる所見のひとつといわれています。ほか、足の親指グッと押した後、皮膚の色が元に戻るのに時間がかかる場合、下肢動脈疾患の可能性があります。