天気痛と薬物乱用頭痛
[2020.06.18]
新型コロナ禍での自粛疲れやマスク着用による息苦しさに、梅雨時の熱を帯びた湿気がもたらすだるさが加わり、体調不良を訴えられる患者さんが増えている印象です。
気候や気圧の変化、その日の天気などに影響されて生じるめまいや頭痛、倦怠感といった症状を、天気痛(気象病とも)と呼ぶそうです。梅雨入りと同時期に頭痛が自覚されるようになった、または、悪化した場合、もしかしたら、天気痛の影響もあるかもしれません。
ただ、天気痛による頭痛に対し、鎮痛薬に頼り過ぎるのは要注意です。たとえば、鎮痛薬を飲み続けることにより、逆に、頭痛の頻度が増加し、慢性化してしまうことがあり、これを、薬物乱用頭痛といいます。市販の鎮痛薬を、1ヶ月間のうち半月分以上内服している場合、薬物乱用による頭痛の可能性を考える必要があります。
天気痛の対症療法として、一般的な鎮痛薬のほか、五苓散など漢方薬の内服、耳栓の使用などが有効なこともあるようです。もちろん、頭痛の原因が、天気痛や薬物乱用頭痛以外の原因による可能性もあります。それぞれの症状にあった適切な対処法を、ともに考えていきましょう。