おくすりと名前
[2022.09.22]
おくすりには、それぞれ名前があります。診療科ごとに、よく処方されるおくすりの種類が異なるのに加え、ジェネリック医薬品の登場で、同じ中身のおくすりでも、製薬会社によって名称が異なり、暗記するのもひと苦労です。
中には、おぼえやすい名前のおくすりもあります。真偽のほどは定かではありませんが、たとえば、心不全の治療などに用いられるラシックスは、その効果が6時間持続する、つまり、last six (ラストシックス)からきていると聞いたことがあります。また、心臓が原因でショック状態になったときに、昇圧などの目的で使われるイノバンは、命の番人が由来、便秘治療薬のヨーデルは、便が良く出るように名付けられたと、研修医時代、先輩の医師から教わりました。
また、似た名前のおくすりも、たくさんあります。たとえば、アスベリンとアスペノン、語感が近いですが、それぞれ、鎮咳薬、抗不整脈薬で、薬効がまるで異なります。ほか、セロクエルとセロクラール、リピトールとリボトリールなど、決して間違えて処方されてはならないものも多く、要注意です。