メニュー

難聴と心臓病

[2022.03.10]

難聴は、誰かの話す声や音が聞こえにくい状態を指します。診察室で、いつもにこやかな表情を見せてくれる患者さんでも、「体調におかわりないですか」と尋ねた際、ジッと笑顔のままで、頷いたり首を横に振ったりされない場合、私の声が聞こえていらっしゃらないのだと気づきます。

耳介で捉えられた声や音は、外耳、中耳、内耳、聴神経を通して、脳に伝わります。そして、どの部位が障害されるかによって、伝音難聴と感音難聴に区別されます。たとえば、耳垢(あか)の詰まりによる閉塞や中耳炎は前者、突発性難聴は後者にあたります。

難聴があると、コミュニケーションをとるのが困難になり、うつ病や認知症になりやすいとされます。また、社会的に孤立してしまうと、さまざまな生活習慣病に罹患しやすくなり、それらを基礎疾患とした心臓病の発症が懸念されます。そういえば、「聞く」ことを、英語で”hear”といいますが、末尾に”t”をつけると、“heart”、すなわち、「心臓」になり、両者のつながりを想像させます。

難聴の原因によっても異なりますが、適切な治療を受けることによって、社会生活をある程度支障なく送ることができると考えられています。もう歳だからとあきらめずに、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME