春の雨と春雨
[2022.03.17]
3月下旬から4月にかけて降る雨を、春雨といいます。生命の萌芽に満ちた季節を雨滴で彩るように降り続けながら、新しい年度を迎えます。厳密には、立春から3月初旬までの春の雨と区別されるようです。春雨には、春時雨、小糠(こぬか)雨、桜雨、花時雨など、雨の降り方等により更に細やかな呼称があり、私たちの生活の中に歳時が根づいていることを感じさせます。
食べ物としての春雨は、そうした春に降る雨に見立ててつくられたものです。日本では、主にサツマイモとジャガイモを原料として用います。それにより、コシや粘りが生まれ、煮物の出汁もよく染みこみ、さまざまな料理の原材料として食卓にのぼる機会の多い食品といえます。
通常、ゆでた状態で春雨をいただくことが多く、水分を多く含んでいることから、1食あたりのカロリーや糖質は、白米やパンと比べて低いと考えられます。一方、春雨は、いろいろな食材とあわせて調理されることが多く、原料がイモであることからも、場合によっては糖質が多くなってしまうこともあります。そのため、糖尿病の患者さんにとっては、ちょっとした注意が必要です。