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賢治と玄米食

[2020.03.04]

童話作家である宮沢賢治の没後に発見された作品「雨ニモ負ケズ」は、あまりにも有名です。「雨にも負けず/風にも負けず」で始まるフレーズを、一度はお聞きになったことがあるでしょう。
ところで、同作品の一節に「一日に玄米四合と/味噌と少しの野菜をたべ」というくだりがあります。賢治の、貧しく質素な暮らしぶりをうかがわせる表現です。一方、ここに出てくる玄米食について、先日参加した日本抗加齢医学会九州地方会学術総会の某セッションで、ユニークな解釈を拝聴しました。それによると、玄米食は、腸内細菌を整えたり、自然免疫力を保ったり、抗酸化作用によって細胞を保護したりするはたらきをし、現代社会において、いわば完全食といえるのだそうです。そう考えると、この「賢治食」は、循環器の病気を抱えておられる高齢の患者さんにとっても、おすすめの食事といえるかもしれません。
なお、「雨ニモ負ケズ」には、次のような一節もあります。「東に病気のこどもあれば/行って看病してやり/西につかれた母あれば/行って稲の束を負い/南に死にそうな人があれば/行ってこわがらなくてもいいといい/北にけんかやそしょうがあれば/つまらないからやめろといい」。そういう医師、そして、人に、私はなりたい。

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