加熱式たばことPM2.5
加熱式たばこは、従来の紙巻たばこより害が少ない、あるいは、健康に悪影響を及ぼさないと信じている方がおられるようです。しかし、それは、大きな誤りです。加熱式たばこは、紙巻たばこ同様の、また、一部については、より多くの有害物質を含んでいることが、徐々に明らかになっています。
たとえば、ある加熱式たばこのホームページを開こうとすると、まず「喫煙は、あなたにとって肺癌の原因の一つとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性や肺気腫を悪化させる危険性を高めます」などと書かれた画面が出てきます。紙巻であっても、加熱式であっても、喫煙が、お金を払ってまでする長期的自殺行為であることはもちろん、子どもたちの健康な未来を奪う加害行為であることは明白です。
人体に有害な大気汚染物質のひとつに、微小粒子状物質(PM2.5)があります。ある加熱式たばこの呼出煙に含まれていたPM2.5の濃度が、口元から30cmのあたりで約2,000μg/m3だったとの報告があります。PM2.5の環境基準は、1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であることとなっており、加熱式たばこによるPM2.5がいかに高濃度であるか、容易に想像できるでしょう。
当院では、たばこをやめたくてもやめられない方に、お薬による保険診療での禁煙サポートを実施しています。春の訪れを感じはじめる季節です。心機一転、たばこから卒業してみませんか。