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しもやけと心サルコイドーシス

[2024.02.08]

この季節、患者さんの指先が赤紫色に腫れているのをみかけることがあります。凍瘡、いわゆる、しもやけです。「この時期、毎年なるんですよ」とおっしゃる患者さんの多くは、炊事や洗濯で冷水を使う機会が多かったり、高齢だったりする印象です。

しもやけは、一般に、寒冷刺激を長期的また持続的に受けることで生じるといわれています。ただ、家族歴や、糖尿病、脂質異常症といった疾患が発症に関係するとの報告もあり、個人差がみられます。また、痩せ型の人は、しもやけのリスクが高いとされています。

ところで、一見するとしもやけ様でも、別の病気による症状のことがあり、注意が必要です。たとえば、循環器疾患のうち、肉芽腫というこぶが心臓にできる心サルコイドーシスでは、ときに全身性の症状を発現し、そのひとつとして、夏場でもしもやけに似た皮膚症状がみられることがあります。

しもやけの場合、塗り薬やビタミンE製剤、漢方薬などにより、局所の血流改善をはかったり、防寒具の使用などで予防したりします。一方、心サルコイドーシスでは、胸のレントゲン写真や心電図、心臓超音波といった検査が診断に有用で、病態に応じた適切な管理が望まれます。気になる方は、循環器専門医に相談してみましょう。

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