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遍路と米寿

[2022.02.17]

瀬戸内海沿いの病院に勤務していたころ、休日を利用して、四国八十八ヶ所霊場をすべて巡ったことがあります。早朝、マイカーで自宅を出発し、その日の夜、帰宅するというやり方で、弘法大師が1,200年前に残した足跡を訪ねました。新聞記者時代、最初の赴任地が高知支局だったことから、太平洋沿岸の札所へ向かう車中から眺める景色に、記憶の中の情景が重なり、胸が熱くなったのをおぼえています。

八十八ヶ所の由来は、定かではないですが、人間の煩悩の数に由来し、88の寺院を巡礼することで、煩悩が消えることからきているとの説が有力なようです。弘法大師による開基以来、仏教信仰として受け継がれていますが、現在では、私のように、健康増進や自分探しの目的で四国遍路をする人も多くなっています。

88といえば、年齢でいえば、米寿となります。これは、日本人女性の、現時点での平均寿命に該当します。当院にも、米寿やそれを超える年齢の患者さんが大勢いらっしゃいますが、減塩やウオーキングなどを生活習慣として心がけつつ、楽しく日々を過ごしておられる方が多い印象です。

いつか、また、四国遍路をしてみたい。米寿となったとき、自動車でなく歩いて巡ることができる心と身体でいられますように。長引く新型コロナ禍にあって、その思いは募るばかりです。

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