見ための若さとテロメア
[2019.12.26]
私たちの細胞には、遺伝情報を含んだ染色体という物質があります。染色体は、特殊なタンパク質に、DNAがコイル状に巻きついた棒状のかたまりで、その末端に、テロメアという構造があります。テロメアは、染色体を保護する役割を担い、細胞の寿命に関係することが明らかとなっています。細胞分裂を繰り返すたびに、その長さが短くなることなどから、「生命の回数券」とも呼ばれています。
テロメアの長さは、見ための若さと関係があるとされます。身近に、実年齢より若く見える人がいるとしたら、もしかすると、テロメアが長いことによるかもしれません。このほか、テロメア長は、動脈硬化や心疾患、うつ病などの頻度と関連するとの報告もあります。
テロメアを長くする因子として、運動や瞑想などがあげられます。一方、喫煙や精神的なストレスは、テロメアを短くするとされます。生活習慣の改善で、老化の進行を抑制できるかもしれません。