蒸留酒と糖尿病
[2023.03.09]
30年近く前、アイルランド・ダブリンの語学学校に短期留学した際、アイリッシュウイスキーとして名高いブッシュミルズの蒸留所を訪ねたことがあります。世界最古の蒸留所のひとつとされ、清らかな水や地産の大麦から生み出されたウイスキーの軽やかな飲み口を味わいながら、アイルランドの歴史や文化を感じました。
さて、糖尿病の患者さんにとって、控えたいもののひとつがアルコールです。特に、日本酒やビールといった醸造酒は、糖質を含んでおり、血糖値を上げる原因となりえます。一方、ウイスキーや焼酎といった蒸留酒は、血糖に直接及ぼす影響は低いといえます。
では、蒸留酒ならば、好きなだけ飲んで大丈夫かといえば、それは間違いです。過度の飲酒は、肝臓や膵臓にダメージを与える危険があります。また、糖尿病との関係でいえば、おつまみの選択も大切で、血糖値を上げやすいものを控え、海藻類や豆類などをお勧めします。
昔日の思い出とともに、ほどほどに蒸留酒を楽しむのが、大人のたしなみでしょうか。