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病名とイメージ

[2023.09.28]

心不全という言葉を聞くとき、どんなイメージをもたれますか。○○不全という表現から、もうすでに心臓が止まりかけで、終わってしまったかのような印象を受ける方もおられると思います。

しかし、実際には、心不全にも、軽症から重症までいくつかの段階があります。また、心不全に至る原因となった病気によっては、適切な治療や管理を受けることで、健康な方と同様の生活や寿命を全うすることが可能です。

たとえば、心不全ステージ分類Aに該当し、心不全につながるリスクとされる病気のひとつに、糖尿病があります。糖尿病という病名は、1907年に日本内科学会により統一され、広く使われるようになったとされます。一方、日本糖尿病協会が実施した調査によると、約9割の患者さんが糖尿病という表現に抵抗感や不快感を示しています。理由として、尿という排泄物を表す文字が含まれることや生活習慣が悪いとのレッテルを貼られることがあげられるようです。そのためか、健診などで糖尿病と診断されても、医療機関を受診せずに放置される患者さんが大勢おられます。

現在、糖尿病の診断や治療の評価は、尿ではなく血液でなされます。また、糖尿病をきっかけに生活習慣の修正に前向きになれるとしたら、長い目でみてむしろ健康長寿が叶うかもしれません。

時代のイメージにあった表現の変更は、その病気を抱える患者さんの治療モチベーションにもつながりそうです。

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