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家庭血圧測定と血圧計あれこれ

[2021.06.17]

ご自宅で測定された家庭血圧は、高血圧の評価や管理をする上で、大切なデータのひとつです。健康診断の会場や診察室で血圧を測ると、途端に高い値になるなどした経験をお持ちの方も、少なくないでしょう。体を安静にした状態で評価するのが血圧測定の定義ですので、緊張した場面での計測は、必ずしも正しい値を反映しているとはいえず、家庭血圧の重要性も、その点にあります。また、心血管疾患等のリスクとされる早朝高血圧を評価できるのも特徴です。

一方、患者さんから、ご自身が使われている血圧計が、本当に正しい数値を示しているのか不安といった声を、時々耳にします。実際に、家庭家圧計の精度を疑問視する海外からの報告が、専門誌に投稿された例もあります。

これまで血圧測定の標準となっていた機器は、水銀血圧計でした。なお、今年以降、水銀を含む機器の製造および輸出入が禁止されることから、高血圧治療ガイドライン2019は、医療機関で用いるものとして、国内で正式に販売認証されている医用電子血圧計を推奨しています。家庭血圧測定に用いられるのも、一般に、電子血圧計に該当します。同ガイドラインでは、上腕で測定するタイプが勧められていますが、最近では、手首で測るものも普及しています。

国内で販売されている血圧計は、基本的に、法的基準に則り、測定精度の検定をクリアしているはずですから、水銀の血圧計での測定値と多少の誤差があるとしても、大きな問題はないと考えられます。まずは、測定器を信頼し、継続して家庭血圧を測定、記録することが大事です。その上で、その値が実際の血圧を正しく反映しているか不安な場合、かかりつけの医療機関に相談してみましょう。

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