冠攣縮性狭心症と気管支喘息
[2023.02.09]
心臓を養う冠動脈がけいれんすることで胸の痛みを生じる病気を、冠攣縮性狭心症といいます。血管がけいれんを起こしていないときには、血流が保たれているため、通常の検査で異常を見極めることは困難です。診断をつけるために、冠動脈内に特殊な薬剤を注入して血管をけいれんさせることで、胸痛や心電図変化が起こるかどうかをみることもあります。
ただ、特徴的な症状や発症時間帯から、臨床的に診断されることも多くあります。冠動脈のけいれんが起こりやすいのは、夜間や明け方で、特徴的には、就寝中の胸痛で目が覚めます。
さて、冠攣縮性狭心症と症状の悪化する時間帯が似ている呼吸器の病気があります。気管支喘息です。気管支喘息も、夜間就寝中に発作を起こすことが多く、普段から適切な管理ができていない場合、死に至ることもあります。
好発時間帯が同様の冠攣縮性狭心症と気管支喘息ですが、病態生理も共通していることが、最近の研究で明らかになっています。いずれも、自律神経障害の関与が指摘されており、喫煙は、両者ともに増悪因子となります。