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ポリファーマシーと老年症候群

[2023.06.16]

たくさんの種類のお薬を併用することで、かえって有害な問題が起こる危険性が高くなる状態を、ポリファーマシーといいます。特に、医療費の自己負担が少ない日本では、安易にお薬を処方されやすく、問題になっています。

ある報告では、5種類以上のお薬を併用した場合、3,4種類の併用例と比較し、転倒の発生頻度が、2倍以上だったようです。また、6種類以上の併用で、有害な問題が起きやすかったとのデータもあります。

もちろん、お薬には、病気にとって欠かせないものもたくさんあります。そのため、一概に多剤内服が悪いというわけではなく、主治医と相談しながらの適切な管理が大切です。一方、現状で不必要なお薬が、漫然と継続されているケースも少なくありません。

代表的なのは、不眠、だるさ、うつなど、老年症候群と呼ばれる症状に対して用いられるお薬です。老年症候群に対する治療の基本は、お薬ではなく、生活習慣の見直しです。食事や運動の工夫で、お薬を1種類でも多く減らせるかもしれません。

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