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フランク・ロイド・ライトとフランク徴候

[2023.10.26]

サイモン&ガーファンクルの名曲の1つに、”So Long, Frank Lloyd Wright”(フランク・ロイド・ライトに捧げる歌)があります。若いころ、夢中になって聴いていたこの曲のタイトルにも登場するフランク・ロイド・ライトが、近大建築の三大巨匠に数えられ、日本とも縁のある、米国の著明な建築家であると知ったのは、歳を重ねてからのことでした。

10年ほど前、米国心臓病学会での研究発表でシカゴを訪れた際、郊外にあるフランク・ロイド・ライト邸まで足をのばしたことがあります。特徴的な幾何学模様のデザインや緻密に設計された採光に、巨匠と呼ばれる所以を感じました。

さて、私たち循環器を専門とする医師が、フランクという名称を聞いて連想する医学用語があります。心筋梗塞や不安定狭心症といった急性冠症候群を起こしやすい要素を、冠危険因子といいますが、その1つであるフランク徴候がそうです。耳たぶにみられる特徴的なしわを指し、この所見を認める場合、動脈硬化の存在を疑う必要があります。

秋の深まりゆくこの時節、”So Long, Frank Lloyd Wright”が収録されたアルバムのレコード盤に、久しぶりに針を落とし、静かに耳を傾けたくなってきました。

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