トレッドミルと心電図
[2023.05.02]
モーターで動くベルトコンベア状の踏み台からなるランニングマシンは、ルームランナーなどとも呼ばれ、健康器具として広く普及しています。スポーツジムなどの運動施設で見かけますが、自宅用に購入される方も少なくないようです。
ところで、ランニングマシンやルームランナーは、和製英語で、正しくは、トレッドミルといいます。トレッドミルの歴史をたどると、19世紀、刑務所に収監された人の矯正目的に導入されたという記録があります。たしかに、上り坂の傾斜で加速したときの運動量を想像すると、かなりつらそうです。
トレッドミルは、医学の世界でも、運動負荷心電図を測定する際の器具として採用されています。心電計や血圧計を装着した状態で、トレッドミルによる運動を実施し、心電図波形の変化や自覚症状の有無を評価することで、狭心症や不整脈の診断へとつなげます。また、心臓リハビリ-テーションにおける運動療法としても、自転車エルゴメーターなどとともに有用です。