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シルクロード沿いの街とドライイチジク

[2023.11.09]

これまで、何度かシルクロード沿いの街を旅したことがあります。「西遊記」にも登場する火焔山や高昌故城のあるトルファン、また、イスラム文化を色濃く残す職人街やバザールのあるカシュガルは、近代化の影響を強く受けつつある中、いまなお東西交易を担う商人らの行き交う要衝として、どこか懐かしい異国情緒を残し、旅情をかき立てられます。

10年ほど前、「イチジクの里」と呼ばれる街がカシュガルの近くにあると聞き、地元の人たちの利用するバスに乗り、訪ねてみました。中南部には砂漠も広がるアルトゥシュという名の地方都市で、路地のあちこちにイチジクを売る露店が軒を連ねていました。

当時、私にとって珍しかったのが、乾燥したイチジクがたくさん売られていたことでした。ドライイチジクは、甘みが増すとともに栄養価が高いことでも知られ、老化予防の効果を期待できるとされています。

「西遊記」に登場する三蔵法師は、不老長寿の妙薬とされる杏仁香を求めて旅に出たといわれています。杏仁香の正体は、案外ドライイチジクだったかもしれないなどと夢想しました。

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