インフォデミックとフェイクニュース
[2022.10.20]
インフォデミックという表現をご存じですか。新型コロナウイルス感染の流行期に、不確かで誤った情報が大量に生じ、急速に拡散されたことで、社会に混乱を伴うような影響が及びました。これに対し、WHO(世界保健機関)が、information(インフォメーション)とpandemic(パンデミック)を組み合わせた造語として呼んだのがはじまりとされています。
虚偽報道ともいわれるフェイクニュースは、インフォデミックを引き起こす最大の原因です。たとえば、特定のうがい薬使用や高濃度のアルコール摂取が新型コロナウイルスに有効であるなどとする情報が、一時席巻しました。また、新型コロナウイルス自体存在しないと主張する人たちもいます。
不安や不信によってもたらされるインフォデミックは、そのネガティブな感情をさらに増幅させます。フェイクニュースは、ウイルスよりも早く広まるといわれます。ウイルスと同等、またはそれ以上の力をもつ有害な情報をまき散らしてしまうと、社会秩序すら破綻させてしまう危険性があります。
押し寄せる大量の情報の真偽を見極めるのは、容易ではありません。しかし、意識して、根拠のある情報を1つひとつ選択することで、インフォデミックを抑制し、不安を和らげることができます。