もの忘れと認知障害
[2019.11.20]
「最近、もの忘れが多くて、認知症じゃないかと心配」との声を、特に、高齢の患者さんからお聞きすることがあります。認知症は、もの忘れの原因としてよく知られていますが、お薬やビタミン欠乏、甲状腺や肝臓の病気なども、その原因となりえます。
また、軽度認知障害(mild cognitive impairment; MCI)という言葉をご存じですか。MCIは、いわゆるアルツハイマー病などに代表される認知症とは異なります。記憶や理由づけなどの認知機能は低下していますが、日常生活には支障なく、認知機能低下の初期段階といえます。たとえば「忘れ物や探し物が多くなる」「いつも同じ話を繰り返す」「時間の概念がない」などの症状がみられます。
MCIは、認知症に進行するケースも多いとされる一方、適切な診断や介入により、元の状態に戻る可能性も十分にあると考えられています。予防策のひとつとして、多くの人とつながりをもった生活を送ることなどがあげられます。