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めまいと喫煙

[2024.05.30]

めまいは、日常診療でよく遭遇する症状のひとつです。循環器疾患を主に診療している身としては、原因としてまず、徐脈を伴う不整脈、低血圧、大動脈弁狭窄、貧血などを思い浮かべます。

私たちの体における平衡感覚や位置認識は、脳や耳などさまざまな臓器の相互作用によって保たれています。また、自律神経やホルモンのバランスによる影響も受けやすく、鑑別診断は多岐にわたります。良性発作性頭位めまい症、メニエール症状群、頚性めまい症といった診断や治療を受けことがあるという方は、少なからずおられるでしょう。

ストレスや不眠といった生活習慣も、めまいの発症機序に深く関与します。また、喫煙は、がんや肺疾患のみならず、めまいを起こしやすくすることでも知られています。たばこに含まれるニコチンが、血管収縮により循環動態を悪化させるために生じるとされています。巷では、「ヤニクラ」という造語もあり、あえてクラクラする感覚を求めて、大量のヤニ、つまりたばこを吸う危険行為に及ぶ人もいるようです。

喫煙しながらめまいが気になるという場合、実践すべきは、まず禁煙です。

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