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自由とつながり

[2023.09.07]

京都での学生時代、大学近くの安い町中華屋で、「自由とはなにか」や「自由と平等は両立するのか」といった議論を、友人たちと熱く交わした思い出があります。当時は、自由な学風を謳歌するバンカラな風潮が、まだそこかしこに残っていました。

さて、あらためて、自由について考えてみましょう。自由とは、欲望のままに飲み、食べ、遊ぶことでしょうか。それは、欲望からの新たな支配に服する不自由を意味します。実存主義を唱えたサルトルは、各自の判断で決定する必要のある状態を「人は自由の刑に処せられ」たと表現しました。また、社会心理学者のフロムは著書「自由からの逃走」の中で、人は自由になると強い不安や孤独感に襲われると記しています。

では、自由に束縛されずに、自由を求めるにはどうすればよいか。明快な回答はありませんが、ひとつの方法として、自由意思によって自己と他者とのつながりを決定することがあげられます。たとえば、自治体などが推進している「いきいき百歳体操」があります。これは、週1回5人以上で集まり、体操をしたり、踊ったりする取り組みです。取り組み自体やその内容は、すべて地域住民が決め、参加するのもやめるのも自由です。強制されないつながりに求める自由には、不安や孤独を伴わない心地よさを見出せるかもしれません。

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