ゼロカロリーコーラと糖尿病
[2020.09.24]
先日、糖尿病治療中の患者さんから、「カロリーゼロや糖質ゼロと書かれたコーラだったら、糖尿病でも、飲んで大丈夫でしょうか」との質問をいただきました。
たとえば、日本コカ・コーラ株式会社が扱っているコカ・コーラゼロの栄養成分表示によると、炭水化物0g、糖類0gとなっており、血糖に直接影響を与える可能性はなさそうです。ただ、実際に飲んでみるとわかるのですが、糖類が入っていないのにもかかわらず、甘く感じます。それは、甘味料が使用されているからです。人工甘味料については、糖代謝に与える影響を指摘する意見があります。また、味覚障害や肥満、うつ症状などと関連するとの報告もあります。こうしてみると、ゼロカロリーコーラといえども、習慣的に飲み続けることには、少なからず問題がありそうです。
ちなみに、カロリーゼロといっても、必ずしもエネルギーが0kcalとは限りません。飲料の場合、100mlあたり5kcal未満であれば、ゼロカロリーと表示することができる基準となっているからです。ゼロとは、本来、何も存在しないことを意味する言葉ですので、厳密には矛盾した表現です。