インフルエンザウイルス感染症と治療薬の選択
[2019.12.11]
インフルエンザウイルス感染の流行期を迎えました。当院でも、多くの方が、予防接種を受けておられます。ただ、予防接種の効果は、感染時の重症化予防や、他者への感染拡大予防がメーンで、感染自体をシャットアウトすることはできません。そのため、うがいや手洗いといった、基本的な感染症予防策がとても大切です。
インフルエンザの治療薬には、内服、吸入、注射といった製剤があります。内服のうち、主に昨シーズンから国内で使用されるようになったあるお薬は、1回内服するだけで、従来のお薬よりも早く熱を下げることがセールスポイントです。一方、その作用機序などから、このお薬に耐性をもつ株ができてしまう場合があります。そのため、逆に、従来のお薬より、高熱でつらい状態が続くケースも報告されています。
当院では、それぞれのお薬のメリットとデメリットを十分に説明した上で、お薬を選んでいただいています。