肺がニコチンを輸送する装置であることを知ってしまったのは、人類のおろかさであるといわれます。がんの原因のうち、約30%が喫煙に関係しているとの報告があります。喫煙の自由と引き換えに、将来の自由と、こどもたちの未来が奪われます。

最近、患者さんから「これまでの紙巻から加熱式のものにかえたから、たばこの害が少なくなったのではないか」との声を聞くことがあります。しかし、加熱式たばこの煙にも、紙巻たばこと同様に、ニコチンやさまざまな有害物質が含まれています。また、禁煙に向けて、加熱式たばこが役立つとの科学的根拠は、現時点で確立されておらず、海外では、加熱装置の爆発による被害も報告されています。

当院では、保険診療での薬物治療を含む禁煙サポートをはじめました。たばこが高価な嗜好品となったご時世、禁煙に挑戦する絶好の機会です。