ヘモグロビンとヘモグロビンエーワンシー
[2021.02.18]
糖尿病の患者さんになじみのある血液検査項目のひとつに、ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)があります。一方、健診などでも一般に測定される血液検査項目に、ヘモグロビン(Hb)があります。HbA1cとHb、言葉は似ていますが、臨床的な意味合いは異なります。
Hbは、赤血球中に含まれるタンパク質で、全身に酸素を運搬する役割を担っています。Hbの量を血色素量ともいい、貧血を評価する指標として用いられます。
これに対し、HbA1cは、Hbに血糖が結合したグリコヘモグロビンとよばれる糖化産物のひとつです。血糖値は、ある時点での一時的な結果をあわらしますが、HbA1cは、測定時から3週間-2ヶ月前の平均的な血糖値を反映しているとされます。そのため、HbA1cは、主に糖尿病治療薬の調整や糖尿病における合併症予防の指標として用いられます。
当院では、採血後10分程度で、Hbや血糖、HbA1cの値を測定できる機器を導入しています。健診等でこれらの異常を指摘された方や、貧血や糖尿病の気になる方は、まずご相談ください。