ジャノメと巳
[2025.01.02]
雨の日のおつかいを歌った童謡に出てくる「ジャノメ」とは一体何なのか、幼いころ不思議に思ったことがあります。ここでいうジャノメとは、和傘のことで、開いたときの模様がヘビの眼のように見えることから、蛇の目=ジャノメと呼ばれるようになったようです。いまでも、色とりどりの中心部分が円状に白く縁取られた傘を、このように表現することがあります。
さて、今年の干支は、ヘビ。ヘビの視力は、ほかの爬虫類より劣っているといわれています。そのため、常に五感を研ぎすまし、自らをおびやかす存在に対し、神経をとがらせていなければなりません。ヘビの舌に嗅覚の役割を果たす器官が発達していたり、噛みつくような仕草で威嚇したりするのは、そのためなのでしょうか。
十二支の順序について、辰と巳(ヘビ)が年神のところへ到着したのは、実は同時だったという説があります。どちらが早かったのかを決める際、巳が、空をも飛べる崇高な辰に先を譲ったため、辰の次が巳という並びになったとされています。
ちょっぴり怖がりで、謙虚。ヘビって案外いいやつなのかもなあと、年の初めからほんわかとした気持ちになれました。