無呼吸と低呼吸
[2024.03.07]
当院では、睡眠時無呼吸症候群に対し、自宅での簡易検査や入院でのポリソムノグラフィーによる診断、持続陽圧呼吸療法による治療を実施しています。睡眠時無呼吸症候群は、いびきや日中傾眠の原因となるだけでなく、高血圧、心筋梗塞、心房細動といった循環器疾患とも深く関係していることが明らかになっています。
さて、睡眠時無呼吸症候群の診断および重症度判定に用いられる指標が、無呼吸低呼吸指数(AHI)です。これは、睡眠1時間あたりの、無呼吸または低呼吸の回数をさします。では、ここでいう無呼吸および低呼吸とは、どういった状態と定義されているのでしょうか。
無呼吸とは、連続10秒以上の呼吸停止のことです。また、低呼吸は、30%以上の気流低下が連続10秒以上持続し、動脈血の酸素飽和度がベースラインから3%以上低下または覚醒反応を伴う状態をいいます。簡易検査では、動脈血を連続してモニターするのは困難なため、パルスオキシメーターを指先にクリップして測定する経皮的酸素飽和度が代用されます。
AHIが5以上で、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。また、簡易検査で40以上またはポリソムノグラフィーで20以上の場合、持続陽圧呼吸療法の導入が検討されます。