メニュー

祭りと白衣高血圧

[2023.08.24]

新型コロナ禍で中止されてきた祭りが、数年ぶりに、各地で再開されつつあるとのニュースをよく聞くようになりました。暑い夏、浴衣姿で団扇を手にしながら、夜空を彩る花火を眺める情景を思い浮かべるだけで、胸躍る気持ちになるのは、老若男女問わずではないでしょうか。

古来より、私たちは、普段の生活を「ケ」、祭りなどの年中行事を「ハレ」と表現し、日常と非日常を区別してきました。もちろん、日常の中にこそ非日常があります。そのため、両者は二律背反ではなく、一元論的にとらえる必要があります。つまり、「ケ」の普遍性や恒常性こそが、「ハレ」における緊張感や高揚感を生み出すといえます。

診療という場面にも、祭りに似た非日常感が漂っています。たとえば、医療機器の並んだ特殊な空間で、他人である医療者に測られる血圧が、家庭で測定する日常の記録よりかなり高くなることがあります。これを、白衣高血圧といいます。本来の血圧を見極めるには、普段の家庭での記録の積み重ねが、何よりも大切なのです。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME