血圧管理と循環器
[2022.04.14]
「よそで高血圧の治療中だが、なかなか良くならない」。そんな訴えで当院を受診される方が、少なからずいらっしゃいます。血圧管理は、循環器の専門領域で、当院が最も得意とする分野のひとつです。適切な治療介入により、多くの場合、良好なコントロールを得られます。
ただ、当院が、特別なおくすりや治療器具を採用しているわけではありません。日本高血圧学会による高血圧治療ガイドラインに基づき、患者さんそれぞれのライフスタイルに合わせた血圧管理プランを、患者さんとともにコツコツと実践しているのに過ぎません。逆に、それができていない場合、不適切なおくすりが処方されていたり、必要な生活習慣の修正がなされていなかったりなどして、十分に管理されないまま高血圧が持続してしまいます。
高血圧は、働き盛りの年代でいかに良好に管理していけるかが大切です。適切な管理によって、将来的な心筋梗塞や脳梗塞、認知症の発症をある程度抑制できることが明らかになっています。また、高血圧は、日本循環器学会と日本心不全学会との合同ガイドラインにおける心不全ステージのAに該当します。そのため、高血圧と診断されたら、今後、同ステージをB,C,Dと進行させないよう、心臓を中心とした循環動態をいかに評価し、管理していくかが重要となります。