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紙の本とかかりつけ医

[2021.11.25]

タブレット端末等に、手軽にダウンロードできる電子書籍が、広まりつつあります。以前、北極圏の村に数日間滞在した際、ホテルに籠って読む本として、普段読まないような長編小説を数冊、あらかじめタブレット内に入れて持っていきましたが、荷物としてかさばらず、携帯性にも優れ、便利さを実感しました。

しかし、個人的には、やはり、紙製の本が好きです。本を手に取った際の重量感やにおい、ページをめくった際の触感は、本の中で繰り広げられる世界と私とを同調させるための、妙薬を得たような感覚をもたらしてくれます。また、読書の途中、残りのページの厚みを確かめながら、「この先、どんな展開が待っているんだろう」と想像する楽しさも、電子書籍以上に感じられます。

病気の治療においても、今後の展開を予想し、確認しながら進めていくことができたら、より高い治療効果を得られる気がします。高血圧や糖尿病、脂質異常といった生活習慣病は、特に初期において、自覚症状がほとんどなく経過していきます。そのため、「いつまで薬を飲み続ければいいんだろう」「なぜ治療しなければいけないんだろう」といった、先の見通せない不安をおぼえる方もおられるでしょう。

そんなときには、ぜひ、かかりつけ医を、上手に活用してみてください。当院は、紙の本のようにズッシリとした、それぞれのライフスタイルに合った適切な医療を提供するガイドブックとして、みなさんが手に取ってくださることを、お待ちしています。

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