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お化け屋敷と夏のゆえん

[2025.07.31]

お洒落なカフェや図書館がなかったころの徳山駅ビルの、夏の恒例といえばお化け屋敷だったという方は、結構いらっしゃるのではないでしょうか。暗がりの通路のそこかしこに潜むお化けたちに、それが作り物やかぶり物だとわかっていても、「ギャーッ」と叫ばずにはいられない臨場感、そして、恐怖を同時体験した家族や友人と分かち合う高揚感。それらは、当時の徳山を思い出すたびに、いまもそっと鳥肌をたたせてくれます。

この夏、かつて比叡山頂遊園地で人気だったお化け屋敷が、26年ぶりに復活して、京都市内の百貨店で開催されるとのニュースをみました。ネット全盛のご時世にあっても、アナログでリアルな体験をしたいと願う気持ちは、新型コロナ禍を経てなお高まってきたのかもしれません。

ところで、お化け屋敷や怪談は、なぜ夏の風物詩となったのでしょうか。そのゆえんは、諸説あるようですが、かつて歌舞伎で、夏になると涼み芝居と称して、「東海道四谷怪談」など幽霊の登場する怖い話を上演したのがはじまりとされています。お盆には、あの世から死者が帰ってくるともいわれ、その時期に重ねたのかもしれません。

では、怖い体験をしたり、怖い話を聞いたりすると、涼しく感じるのはなぜでしょうか。もしかしたら、興奮状態にあるときにたかぶる交感神経が活性化されることで、心臓や脳など生命にかかわる臓器に血液を集める一方、手足などへの血流を減らそうとはたらくため、一時的に四肢が冷たく感じることがあるためかもしれません。確かめたい方は、ぜひお化け屋敷へ行ってらっしゃい。

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