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神と天使

[2026.03.05]

先日、抗加齢医学会の地方会に参加してきました。抗加齢やアンチエイジングと聞くと、とかく美容を連想しがちですが、動脈硬化や心不全の予防も、抗加齢の科学的思考に通じています。この学会が私にとってユニークだと感じられるのは、普段専門にしている循環器領域以外の専門家から新しい知見をうかがえることです。

今回、特に興味深かったのは、独自の理論で野球やソフトボールのトップアスリートらを指導している、鴻江寿治さんの講演でした。鴻江さんによると、人間は生まれたときから、猫背の「うで体」型と反り腰の「あし体」型に分かれるそうです。スポーツの指導において、そのどちらがいいとかではなく、それぞれの特徴に合ったアドバイスをすることで、選手の能力を高めることができるとのことでした。

講演中「患者にとって、先生は神なんですよ。先生の言葉ひとつで頑張れるし、治るんです。そして、看護師さんは天使です。優しく声をかけてもらうと患者は癒やされるんです」といった内容の発言がありました。「われわれは医者なんだぞ。神さまじゃないんだ」とブラックジャックに投げかけられた言葉通り、医療者が神だ、天使だというのは、あまりにおこがましく、畏れ多いことです。ただ、この言葉の真意は、患者さんにとっての医療者は、健康や病気に関する最も身近な指導者であり、理解者であるということにあるような気がします。

病気をよくしたい、健康でありたいと願う患者さんに、私たちは共感するだけでなく、時に厳しい指摘をしなければなりません。しかし、それが、医学的根拠があり、患者さんの思いに寄り添う内容であれば、私たちは、根気よくそれを伝え続けます。そして、患者さんが望む限り、決して離れることなく、ともに歩み続けます。

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