息苦しさと睡眠薬
[2025.01.23]
息苦しさの訴えで来院される患者さんがいらっしゃいます。特に、はじめて診察する患者さんの場合、原因として病気以外も含め、あらゆる可能性を考慮する必要があります。
循環器疾患を専門とする当院では、まず、虚血性心疾患や心臓弁膜症、不整脈などによる心不全があるかどうかを調べます。同時に、慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息、肺炎といった呼吸器疾患、貧血、代謝異常の有無などを鑑別していきます。
一方、内臓の病気によるのではなく、加齢やストレス、精神疾患が原因のこともあります。また、お薬手帳を拝見すると、睡眠薬を常用している方がおられます。睡眠薬によっては、鎮静作用や筋弛緩作用が身体機能に大きな影響を及ぼすことがあり、息苦しさの原因となりえます。
パーキンソン病やアルコール依存症など治療の一環として睡眠薬を必要する病気があります。一方、「ただ眠られないから」と、漫然と睡眠薬を使用するのはお勧めしません。できれば、薬物依存から脱却し、日光浴や適度な運動、規則正しい生活などによって良質の睡眠をえられるようなからだづくりに取り組みましょう。