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徒然草と熱中症予防

[2020.07.02]

鎌倉時代末期から南北朝時代を生きた吉田兼好が書いたとされる随筆「徒然草」に、「家の作りやうは夏をむねとすべし」とあります。「暑き比(ころ)わろき住居は堪へ難き事なり」と続き、夏の暮らしやすさを優先した住宅設計が大切であるという訳です。
なるほど、昔ながらの日本家屋に立ち入れば、その意味がよくわかります。先日、萩市の重要文化財、菊屋家住宅を訪ねました。城下町を歩きながら、梅雨の晴れ間にのぞく強い日差しに体力が消耗していくのを感じていましたが、家屋内に上がった瞬間、庭から心地よい涼風がスーッと抜けていき、一気に疲れを飛ばしてくれました。風を通すこうした工夫は、季節の変化を生活にうまく取り入れながら生きてきた先人たちの智恵といえるでしょう。
梅雨のこの時期、真夏時以上に、熱中症が起こりやすいとされます。暑熱順化を獲得できていない、つまり、体が暑さに慣れていないためです。熱中症にかかるリスクは、屋外だけでなく、風通しのよくない屋内の環境でも、十分に高いといえます。エアコン等を有効利用することはもちろん、新型コロナウイルス感染対策の意味においても、一定時間ごとに、窓を開け、さわやかな風の流れをつくることで、熱中症予防につとめましょう。

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