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雪と高血圧

[2021.01.28]

この冬の寒気は、県内の平地にも積雪をもたらしました。山間部から通院されている患者さんの中には、自宅周辺で60cm程度雪が積もったとおっしゃる方もおられました。

雪といえば、かまくらを思い出します。東日本大震災後の支援で、岩手県大船渡市の病院に1週間赴任したのちに、秋田県横手市に立ち寄りました。ちょうど、街中にたくさんのかまくらが設営される雪まつりの時期で、ろうそくの灯りに照らされた子どもたちの「甘酒あがってたんせ」との呼び声に誘われ、はじめてかまくらに入りました。その空間のあたたかさや人のぬくもりが、雪国の郷愁とともに、強く心に残っています。ドイツの建築家であるブルーノ・タウトが、かまくらのある風景を見て、夢の国と称し、彼の著書で世界に伝えようとした感動が、よくわかる気がしました。

さて、雪の降る季節になると、血圧が高くなってきたといわれる患者さんが増えてきます。実際に、大気の温度と血圧との関係はいわれており、寒冷による血管の収縮などが、その原因として指摘されています。一方、日本人と同じルーツの民族とされ、カナダ北部などの氷雪地域に暮らすイヌイットには、高血圧の人がほとんどいないとの報告があります。つまり、血圧管理には、寒さ以上に、塩分摂取などを含む生活習慣が関与している可能性が高いことが示唆されます。

最近、幾分あたたかい日が続いているとはいえ、まだ気を許せません。感染予防に加え、血圧管理にも、十分ご留意ください。

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