血圧のお薬が及ぼす影響と卒業
[2025.02.13]
「週刊誌に血圧の薬を飲むと腎臓が悪くなるとあったが、続けて飲んで大丈夫か」。お薬の内服で血圧管理をしておられる患者さんから、時々こんな質問をいただきます。
まず、お薬自体、ほとんどが自然界に存在せず、化学的に精製された産物です。そのため、期待される薬効、たとえば、高血圧症に対しては降圧効果以外に、何らかの影響をもたらしうることが考えられます。降圧剤は、一般に肝臓や腎臓で代謝されるため、短期的にも長期的にもこれら臓器によくない影響を及ぼす可能性があることを否定できません。また、すでに肝機能や腎機能が低下した状態では、減量したり中止したりしなければならないものもあります。
ただ、仮にお薬による悪影響が懸念される場合、定期的に医療の目が行き届いていれば、全身状態を悪化させることなく早めの対処が可能です。それは、お薬を処方する医師の責任でもあります。よくないのは、適切な評価がなされないまま不要なお薬が処方され続けることです。
高血圧症に対するお薬の副作用が心配という場合、まずは、週刊誌の記事だけを鵜呑みにせず、専門医に相談し、できるだけ早くお薬から卒業できるよう、生活習慣の修正などに積極的に取り組んでみましょう。当院では、お薬以外での高血圧治療も実施しています。