丑と牛
[2021.01.05]
新しい年が始まりました。十二支でいえば、丑年です。
ところで、丑は「うし」と読み、一般に、動物の牛で表現されますが、丑と牛の違いをご存じですか。
ある説では、十二支は、本来、方角や時刻などを数で表現するための記号で、それをわかりやすく後世に伝えるために、それぞれの文字に動物があてはめられたとされています。そもそも、丑という漢字は、十二支以外では、「つかむ」とか「からむ」といった意味をもちます。たとえば、糸と丑からなる紐(ひも)という漢字をみれば、そのイメージが伝わってきます。一方、土用の丑の日という場合の「うし」は、当然、牛のことではありません。このように、丑と牛は、実際には別物なのです。
丑は、種の中で伸びきっていない状態にある芽を表しているともされます。新年を、新しい生活様式の中で迎えざるをえなかった私たちは、新型コロナ禍という大きな殻の中で絡み合った芽のようなものです。いつか殻を破り、これまで以上に素敵な花を咲かせることができるよう、牛歩のようにゆっくりと、そして着実に、そのときを待とうではありませんか。
今年も、みなさんが健康で長生きできますように。