感染予防と「孤『食』のグルメ」
テレビの深夜番組で、「孤独のグルメ」や「絶メシロード」 (いずれもテレビ東京系列局で放送)など、食をテーマにしたドラマ作品が人気のようです。これらに共通しているスタイルは、主人公が1人で黙々と食事をとる姿が映し出されるのと同時に、そのときの心の声が、絶妙な言い回しでナレーションとして入ることです。私自身、視聴しながら、若いころに通った定食屋でご飯を口にかき込む自分の姿とそのときの気持ちが、懐かしい場面として頭に浮かんできます。
新型コロナ禍で、「個食」や「黙食」といった食事のあり方が注目されています。具体的に、他人と時間をずらして食事する、また、家族や仲間と食事する際、会話を控えるなどの行為を指します。そこに、みんなで同じときに同じものを口にし、共通の話題で盛り上がるといった従来の楽しさはありません。ただ、飛沫や接触による感染を防ぐ効果において、いまの時代に必要な価値観が含まれていることは間違いなさそうです。
「個食」や「黙食」のメリットは、感染予防効果だけでなく、仕事や生活リズムにあった時間に食事をとることができることや、自身の健康状態にあった食事内容を自由にアレンジできることなどがあげられます。
さて、ときには「孤『食』のグルメ」の主人公になって、自分自身の時間を大切にする余裕をもった新たな食生活を楽しんでみましょうか。それぞれの心の声が、いつかまた、家族や仲間と共有できることを願って。