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SGLT2阻害薬と心不全

[2022.09.01]

糖尿病には、たくさんの治療薬があります。食後、体内で上昇した血糖を下げるのは、膵臓から分泌されるインスリンです。そのため、インスリンの分泌を促進する作用や、インスリンの効きを改善させる作用をもつおくすりが、多く開発され、世界中で処方されています。

一方、インスリンの経路によらないおくすりもあります。そのひとつが、国内では2014年から使用可能となった、SGLT2阻害薬です。これは、腎臓の近位尿細管にある、糖を血管内に運ぶ役割をしているSGLT2という装置に作用し、尿からの糖の排泄を促進させることで、血糖を下げるものです。1日1回の内服で有効なこともあり、現在、糖尿病治療薬の主役となりつつあります。

さらに、SGLT2阻害薬は、その適応を、心不全や腎不全にまで広げつつあります。たとえば、SGLT2阻害薬による利尿作用は、心拍数や末梢血管抵抗の改善などをもたらし、心不全の悪化を抑制することが証明されています。そのため、今後、標準的な心不全治療薬として位置づけられることも期待されています。

ただ、SGLT2阻害薬も、万能薬ではありません。また、尿路感染や多尿の原因ともなりえます。正しい診断のもと、適切に処方されることが大切です。

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