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Fire & Forget

[2020.04.30]

コレステロールなど脂質の異常を健診で指摘され、当院を受診される方も多くいらっしゃいます。このうち、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールは、高値の場合、動脈硬化の原因となることが知られています。
LDLコレステロール高値の原因として、食生活や家族性があげられます。脂肪を多く含む肉の脂身やバター、卵類などは、高LDLコレステロール血症の方にとっては、控えたほうがよいとされています。また、脂質異常を指摘されている血縁者のいる方は、食生活によらず、LDLコレステロールが高値となりやすいことがあり、家族性高コレステロール血症と呼ばれます。
2013年に米国で開催された心臓病の学会で、高LDLコレステロール血症に対する治療の考え方として” Fire & Forget”という表現が用いられました。これは、「LDLコレステロール高値の人に、しっかりとお薬を使いなさい、そして、そのことを忘れるぐらいに、処方を継続しなさい」といった意味あいで、とにかくLDLコレステロールを下げましょうとの提案です。その理由は、高LDLコレステロール血症が、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患のハイリスクであることが明らかになったからです。
なお、患者さんから、運動によるLDLコレステロール低下効果の有無について尋ねられることがあります。しかし、残念ながら、現時点で、運動に、中性脂肪高値や善玉コレステロールであるHDLコレステロール低値を改善させる効果はある一方、高LDLコレステロール血症をよくするとの効果はほとんど示されていません。

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